恋愛初心者

女子校でのびのびと過ごし、気づいたら男性が苦手になっていた思春期。

 

女子校を卒業しても、すてきだと思う男性ほど上手く接する事ができず。こんな自分の事を好きだという人は、よっぽどヘンな人なんだろうとしか思えず。

捻くれ捻くれ。なかなか、恋愛といえるほど発展しなかった。

 

そんな私でも、不思議とすんなりお付き合いが始まり。

彼は唯一、一緒にいてすごく落ち着く男性で。

彼からの愛情、優しさに触れると幸福感とともに

『わたしは本当に彼のことが好きなのか?』という疑問が、胸の中でずっと漂って消えなかった。

 

恋愛経験を積まないまま、『恋愛』のイメージを自分の中でつくってしまって。

好き、というのは、自分ではどうしようもないくらい、狂おしいくらいに好きでないと、本当に好きとは言えないんじゃないか、って思い込んでいた。

 

でも『好き』や『愛情』に定型なんてないはずと、ふと、よく言われているような言葉が浮かんできて。

穏やかな好き、穏やかな愛情だって間違いじゃないんだ、とやっと気づいた今日この頃。

 

こんなに一緒にいて落ち着いて、癒される人なんていなくて。

こんなに愛情を注いでくれる人もきっと、そういないはずで。

彼と過ごしてゆく日々の中で、愛とは何なのか、ゆっくり身を以て知って行こうと。焦らず。

どんな未来だとしても(ほら、すぐこういうこと言っちゃう。捻くれの後遺症なんだか。)、彼が私にとってかけがえのない恩人であることには違いないな。

 

当たり前になってしまいそうな、当たり前でないありがたさを大切に抱きしめて。