仕事とアイデンティティ

ここ1年間で学生から社会人へとステージが変わった。
日々もがき悩み、失ったり、人に迷惑や心配をかけたり、様々な経験を得る中で、やっと大切なものに気づけてきた。
まだまだ未熟な23歳だけど、やっと自分の基盤が築けてきた気がするので久しぶりにブログを更新。


学生だった時の私は、仕事に対して
『心身尽くし、プライベートを犠牲にしても熱心に働くことがかっこいい』と思っていた。
そして自分の好きな『芸術』に関わる仕事がしたいと考えていた。

趣味は色々とあるけれど、友達が多いわけじゃない。
ならば仕事に一生懸命な人になろうと思っていた。
本当に愚かだけど、人間関係での欲求不満を仕事で打ち消そうとしていた気がする。

そして自分が憧れていた世界、一見華やかな世界…その実、骨身を削るような世界で働いた。
とにかくとにかく毎日がめまぐるしくて、仕事のためだけに生きているような日々だった。

そういう環境を望んでいたはずだけど、実際にやってみたら、何のために生きているのかわからなくなった。
身体もボロボロになって、心も追い詰められていった。

そんな時、私の周りにいてくれた家族や友達が救ってくれた。
優しい、大切な人たちのおかげで仕事を辞めることを決断できた。
この決断が合っていたかどうか悩む時は多々あったが、やっと最近は本当にこれで良かったんだと思う。


仕事は心の隙間を埋めてくれない、仕事は仕事。それ以上でも以下でもない。
これを心底理解するまで随分時間がかかった。

喉元過ぎれば熱さを忘れる、という言葉の通り、またあの華やかな世界に戻りたいと思ったこともあった。
私は恥ずかしながらも、アーティスト気質な人に憧れ、感化されやすく、どうしても憧れを捨てきれなかった。
(そもそも感化されやすい時点で、そんな人が表現者になんて向いてない気もする)


人には、いろんな人がいるのだ。
誰が正しいというわけではない、それぞれ個性があるだけ。
なのに自分を否定して、自分にないものを憧れ続けるのは自分を本当に疲弊させるし傷つける。
今だってアーティストの方々は本当にかっこいいと思う。まだ100%憧れを捨てきれたわけじゃない。
でも、自分にとって幸せとなるのは、社会の役に立てる度合いから言っても
自分に合った、自分を活かせるところで生きていくことがベストなんだと思う。

世間一般でなく、奇を衒うのでもなく、自分の価値観を知り、それを信じていくことは本当に大切なことだと思う。
それが本当に本当に心にストンと理解するまで
これもまた随分と時間がかかった。


その人の価値は仕事では測れない
目に見えてわかるスペックでもない
目には見えない、その人の本質を大切にしていきたい。
やっと、そんなあたりまえの考え方がちゃんとわかってきた。

そして私は、日々の何気ない暮らしと周りの人を大切に生きていきたい。
毎日をちゃんと暮らしていく、そんなあたりまえを大切にする。


最後に、自分が何だかよくわからなくてもがいていた時に、助けてくれたものを一部抜粋して。。。

書籍
『うつくしいひと』 西加奈子
『漁港の肉子ちゃん』 西加奈子
『チエちゃんと私』よしもとばなな
『おとなになるってどんなこと?』 よしもとばなな

ドラマ
『心がポキっとね』

映画
『あん』
『フランシス・ハ』
『きみはいい子』
『あぜ道のダンディ』
『お盆の弟』


不器用だったり、世間で言う''普通”になれなかったりした人々に対して
こんなにも優しい、愛のある目線をくれるものがあるんだなあと思うと、この世もまだまだ捨てたもんじゃないな、と思う今日この頃でした。